YMYLページのジャンルと対策方法を解説 アップデートの影響も詳細に調査

YMYLページと呼ばれる「幸福・健康・金銭の安定」に関するページは、対策が非常に難しいコンテンツのひとつです。Googleの検索品質ガイドラインで、最初に解説されることからも重視視していることがうかがえます。

SEO対策の専門家として、YMYLページは避けるべき、とアドバイスしていますが事業内容によっては避けられないこともあるでしょう。

そこで、まずはYMYLページについての理解を深めていただくために解説ページを用意しました。全くわからない方から、なんとなく理解している中級者まで、今一度振り返る、参考になる内容となっています。

YMYLとは何か

Web上には数多くのWebサイトが存在しています。その中で、SEO対策の観点から、特に注意したいのがYMYLページです。GoogleはWeb関連の品質評価者向けに作成した「検索品質評価ガイドライン」で、YMYLページについて次のように定義しています。

参照:General Guidelines(December 5, 2019)

“ユーザーの未来に関わる「幸福・健康・金銭の安定」に影響するページをYMYL(Your Money of Your Life)ページと呼びます。(英文訳)”

“YMYLページに対し、Googleはより厳しい評価基準を持っています。低品質なYMYLページは、ユーザーの安定性を損ねることがあります。”

Googleは「健康やお金に関連したページは、正確な情報・信頼のおけるページを提供すべき」という姿勢をガイドライン上で明確に示しています。誤った情報や信頼できないコンテンツの提供は検索ユーザーの信用を失うばかりか、検索順位を大きく下げる要因となるので注意が必要です。

YMYLページのジャンル

先に述べた通り、GoogleがYMYLページの信頼性を重視する理由は、検索ユーザーの健康や安全、金銭面に大きな影響を与える可能性があるためです。

では、具体的にYMYLページの対象と認識されるコンテンツとは何でしょうか。ここでもGoogleの検索品質評価ガイドラインを参考に、7項目のジャンルに分けて解説します。主にYMYLページとみなされるWebページは、以下のシャンルです。

※なお、参考とする検索品質評価ガイドラインは2019年5月に更新された最新版をもとに解説しています。

ニュースとイベント国際的なイベントやビジネス、政治、科学などの重要なトピック、テクノロジーに関する記事など。ただし、スポーツやエンタメ、ライフスタイルなどのニュース記事は、一般的にYMYLページとはみなされない。
市民・政府・法律市民生活に関わる、公的な情報や法律などに関するWebページ。投票(選挙)・公的機関・政府機関・社会サービス・法的問題(離婚、児童保護、養子縁組、遺言の作成など)
ファイナンス(金融)投資・税金・ローン・保険などに関する情報やアドバイスのWebページ。また、オンラインで購入できるWebページ。
ショッピング商品やサービスの購入や調査に関するページ、オンラインで購入できる商品やサービスも含む。
健康と安全医学的問題や薬、病院などに関する、情報やアドバイスに関するWebページ。
人々のグループ国籍や人種、民族、宗教、障害に加え、性的マイノリティーなどに関するWebページ。また、個人情報や個人への言及を行っているWebページ。
その他フィットネスや栄養(サプリなど)、不動産情報、学校の選択、仕事の探し方などは、YMYLとみなされるケースがある。

2019年5月に行われた検索品質評価ガイドラインの更新で、上記で示したYMYLの具体例が大幅にアップデート(追記)されました。特徴は、よりYMYLページの解釈が広がったことです。お金や人生に関わる将来的な影響、フィットネスや栄養といった、現時点では影響がないが将来影響を与えそうなコンテンツも対象となりました。

実際に、2019年の検索ランキングでは、これまでアップデートの影響を受けなかったWebサイトの順位変動が大きく変動し、多くのSEO対策者やWeb担当者が頭を悩ませています。

公式サイトや企業サイトが重視される傾向が強まっており、YMYLページの解釈が広がっていることも要因と考えられます。

GoogleのYMYLに対する取り組み

そもそも、なぜGoogleはYMYLページの対策を強化しているのでしょうか。

Googleの有名な行動規範のひとつ「邪悪になるな(Don’t be evil)」に代表されるように、Googleは長年に渡り信頼性の高いランキング付けに努めてきました。

それに加え、2016年に大きな話題になったキュレーションサイト「ウェルク」のように、健康や病気などセンシティブな話題に対する世論の変化も影響しています。

Googleはコンテンツ提供者ではなく検索プラットフォーム提供者です。ただし、検索ランキング上位はユーザーが最も流入する点において、Googleにも正確な情報をランキングする社会的責任があります。

Googleは数多くのアップデートを経て、YMYLページを含む信頼性を強化する対策を行っています。ここからは、YMYLページに関連する有名なアップデートをご紹介します。

  • 健康アップデート:医学的根拠のない、健康と医療に関するWebページは、検索順位が大きく下がる。(日本国内限定)Googleは、医療や健康分野の検索結果60%に影響があったことを認めています。
  • メディックアップデート:世界的に行われた、医療とヘルスケア分野に関わる大型アップデート。メディックアップデートでは、信頼性の低いWebサイトの排除、ランキング外だった権威性の高いWebサイトを再評価しました。Googleは本アップデート後に、今回ランキングが落ちたWebサイトの対処法はないと発言しています。
  • バートアップデート:最新の検索アルゴリズムBERT(バート)が導入されたアップデート。文章単位での読み込み精度が向上し、検索順位が大きく変動しました。医療・健康分野の大規模なランキング変動が確認されています。

上記のアップデートは一例ですが、さまざまなアップデートによって随時ランキングの再評価が行われています。バートアップデート以降、アップデートの頻度が上がり、毎日検索ランキングの変動が起きています。

検索ランキングの変動は、基本的に全ページが対象ですが、YMYLページは特に検索ランキングの変動が大きいのが特徴です。新検索アルゴリズム「バート」については、筆者の別ブログで詳しく解説しているので、興味のある方はぜひご覧になってみてください。(参考:最新アルゴリズムBERTの説明書【論文から要点を解説】

YMYLコンテンツを発信する方法

みなさんは、風邪をひいたとき友達や家族ではなく、病院で医者の診察を受けるはずです。私たちは、日常生活でごく自然に信頼性の高い情報を求めますが、インターネット上でも同様の対策を進める必要があります。

YMYLに関する情報を発信する場合、専門性や信頼性の観点から発信する、高品質のコンテンツが求められます。詳しくは第5章でご紹介しますが、E-A-Tと呼ばれる3つの指標をもとに、いかにGoogleのクローラーに評価されるコンテンツを提供するかが重要です。

医療や健康、お金の情報は、インターネットで知名度のある専門家の監修を受けるべきです。記事を執筆・監修した人がどういった人物であるかについて、発信者情報を記載し勤め先などの情報を正確に示すことで、Googleに信頼性のある専門家であると認識してもらうことが可能です。

YMYLページの発信方法

  • 専門的な情報、分かりやすく十分な量を掲載する
  • 執筆・監修者の情報について、正確に詳しく伝える
  • YMYLの重要性が高い内容、あいまいな表現(〜だろう、〜思う等)は避ける

公式情報を引用する

YMYLページの専門性や信頼性を高める方法として、政府や行政機関等の公式情報も活用しましょう。配信するコンテンツにもよりますが、専門家の執筆や監修に匹敵する信頼性の付与が可能です。

国や自治体は、一企業ではできない大規模な調査やアンケートの集計をたびたび実施します。こうした調査結果は、各機関がWebサイト上で開示しています。

各自治体や団体のホームページをひとつずつ調べても良いのですが、公的な統計データを一括で検索できる政府運営のWebサイトe-Statの利用もおすすめです。あいまいな検索ワードでも、大量の調査データや会議のエビデンスなどを調べることが可能です。

参照:e-stat.go.jp

情報を引用する場合、引用タグ「blockquoteタグ」を利用するのが最も正しい記載方法です。ただし、引用タグはhtmlの知識が必要になるうえ、SEO効果はほとんどないため引用部分にダブルクォーテーション「“”」を付けて引用先を記載する方法でも十分です。画像を引用する場合にも、参照や引用表記を忘れずに入れましょう。

アップデートの歴史とYMYLへの影響

Googleのアップデートが実施されるたびに、医療や健康などYMYLページは検索結果が大きく変動します。過去、Googleで起きた大規模アップデートとYMYLの栄養を振り返ってみましょう。

パンダアップデート 2012/07/18

2012年7月に英語圏で実施されたパンダアップデート(ファーマーアップデート)は、一言で言うなら「低品質なコンテンツの排除」のための、検索アルゴリズムのアップデートでした。パンダは内容の薄いWebサイトやコンテンツの排除を意味し、他サイトのコピーコンテンツの多くがランキングから排除されました。検索クエリに対して、ほぼ同じ内容のコンテンツが検索結果として表示された場合、ユーザー側の満足度が低下するとの判断だったのでしょう。

Googleが検索アルゴリズムの大規模アップデートを行った背景には、当時コンテンツファームと呼ばれるほぼ価値のない情報を大量に作成する代行業者や文章生成ツールをそのまま利用したWebサイトの増加が挙げられます。当時は、こうした手法で容易にドメインパワーを上げられ、訪問者から広告収入を得る手法が流行していました。パンダアップデートでは、以下のような評価軸でコンテンツを選定したとされています。

パンダアップデートのポイント

  • 記事の独自性を評価
  • 広告の割合が多いWebサイトの除外
  • 文字数
  • コピーコンテンツの排除
  • 被リンク数

また、実はパンダアップデートの導入当時は手動でコンテンツの調査がされていたと言われ、影響を受けるWebサイトには告知もされました。パンダアップデートは、基本的にユーザーのためにならないあからさまなコンテンツの排除が目的でしたので、一般的なWebサイト運用者にはそれほど大きな影響がなかったのではないでしょうか。

ペンギンアップデート 2012/04

ペンギンアップデートは「スパム行為と過剰な被リンクへのペナルティ」を目的に実施されたアップデートです。スパム判定を受けたサイトの多くがインデックス削除(検索結果からの除外)もしくは検索順位を下落させるといった措置が取られました。

具体的には、ソフトを利用してユニーク単語を大量に挿入するキーワード対策や、被リンク業者やディレクトリ型サービスを利用した被リンク対策などを行ったWebサイトが影響を受けています。

パンダアップデートと同様に、ペンギンアップデートもその後複数回実施されています。近年では2016年のペンギンアップデート4.0を最後に、公式にはアナウンスされていませんが、コアアルゴリズムに組み込まれ、頻繁にアップデートが実行されていると言われます。

ペンギンアップデートのポイント

  • 質の低いページ(ページ単体)のランキング調整
  • 検索クエリにより影響が異なる
  • 再クロール・再インデックスにより評価見直し
  • コアアルゴリズムに組み込まれリアルタイム更新に(2020年現在)
  • 構造化データの悪用がペナルティ対象に

ペンギンアップデートで最も影響を受けたのが、自演リンクと被リンク業者から大量にリンクを購入していたケースです。また、ペンギンにより影響を受けるのはトップページもしくはトップのカテゴリーページだけというのも特徴でした。(現在は下層ページ含め、全てのページが評価対象)

ハミングバード「検索アルゴリズムの刷新」 2013/08

Googleの設立15周年に合わせて発表されたのが「ハミングバード」と呼ばれる新しい検索アルゴリズムです。ハミングバードの導入により、インデックスにかかるスピードが大幅に向上しました。音声検索への対応が可能になったのも、ハミングバード以降の大きな変化のひとつです。文字検索でも話し言葉による検索精度が上がり、質問に対する回答を表示することを可能にしました。

ハミングバードのポイント

  • 関連キーワードをより正確に探知(ランチ→周辺の店など)
  • クエリ単体の検索時に、クエリ全体のページも表示
  • 会話形式の検索対応が進化(文脈の理解度が向上)
  • 長文検索への対策が進む
  • インデックスされる時間が短縮

13年8月以降のアップデートについては、随時追記します。

YMYLは「外部からの評価」が重要

SEOの考え方のひとつにサイテーションというものがあります。サイテーションは「言及・引用」という意味で、他のWebサイトからどのような評価を受けているかを表すものです。

引用や言及というと、他社のWebサイトに自社のリンクを貼ればいい(被リンク)と考える方が多いですが、半分正解といったところです。

実は、外部評価は被リンクだけでなく、名前が挙がるだけでも効果があります。例えば誰かのブログに「UniqueCellのSEOの対策は信頼できる」と書かれれば、被リンクがなくても検索エンジンから一定の評価を得られます。

サイト名だけでなく、企業名や住所、個人名に加えサービス名でも同様です。Webサイト以外にTwitterやInstagramなどSNSでの言及も評価の対象です。

YMYLは信頼性を、ランキング付けの指標として、他のコンテンツより重視しています。自社のリソースを最大限に活かし、サイテーションを増やすことがYMYLの対策として非常に重要です。

YMYL対策のポイント

YMYLページは、「幸福・健康・金銭の安定」に影響するページのことです。検索ユーザーの将来に影響を与える可能性があるため、情報の精度には十分注意して発信してください。

YMYLページに該当するコンテンツ

  • ニュースとイベント
  • 市民・政府・法律
  • ファイナンス(金融)
  • ショッピング
  • 健康と安全
  • 人々のグループ
  • その他

上記に代表されるコンテンツを自社から提供する場合、情報の正確性だけでなく新しさ(陳腐化していないか)、信頼性(外部評価)に十分配慮する必要があります。

今回、YMYLページについて基礎的なところを中心にお話しました。実際に対策を進めるには、検索クエリの選定や信頼性を高める施策、共起語などのキーワード選びなど、複数の対策を並行して進める必要があります。

また、仮に一度でも「御社のYMYLページは信頼できない」とGoogleに評価されると、ランキングを回復するのは非常に困難です。YMYLに該当するコンテンツを発信する場合、SEOの専門家に相談のうえ、万全を期して公開することをおすすめします。

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